天下無敵な推し様に愛を

気づいたらそこは沼だった。

【感想】舞台「DIVE!!」The STAGE!! その②

こんばんは、ももちゃんこです。

先日、ほぼ吐き出すような形で感想を述べました。その結果、公式への愚痴が多くなってしまいました。今でも公式に対しては思うところが多く、その気持ちを溜め込んだりツイッターで呟いたりしました。

こうして改めて感想を書こうと思ったのは、目に見える影の部分の愚痴ばかりで、舞台自体の感想が短かったことと、自分の記録としても人の目に触れるものとしてもマイナスイメージばかりが残ってしまう形で終わらせたくなかったからです。

 

これ以降はネタバレしかございませんので、これからディレイ配信やDVDを購入予定などの理由で、ネタバレを気になさる方はお戻りください。

 

 

 

 

 

 

私が観劇したのは大阪公演、全18回のうちのたった4回です。あっという間に駆け抜けていったように感じます。原作もアニメも予習した上で(とは言ってもだいぶ時間が経っていてふわふわしてました)観劇しました。

 

開演5分前、ライバルダイバー達による前説が始まりました。6種類の飛び込みをパフォーマーさんたちが実践する形で紹介していたので、目で見て分かりやすかったです。あぁ、ほんとに飛んでる……怖っ……でもすごい……!って感じでした。ワイヤーなしで飛んでるのほんと怖かったです。

「携帯の電源は切るように」なんていう諸注意もありながら、DIVE!!の世界へと入り込む準備がされていきました。

 

メインテーマが流れ、キャラクター一人一人にスポットライトが当たる演出は、ドラマやアニメのようなOPを見ているようで、始まった、これから物語が進むんだという期待を膨らませました。

OPが終わると、知季が飛び込み台に立ち、陵とレイジと富士谷コーチ下からが見守るといった、いわゆるMDCでの日常から物語は始まります。練習終わりに、富士谷コーチが謎の女性と一緒にいるところを見かけ、気になって追いかけてしまう知季、陵、レイジの3人組。「もしかして、不倫!?」と驚きつつもどこか楽しそうな陵が可愛かったです。物陰に隠れる前にも「( ᐛ👐)パァ」ってしたりクルクル回ったりもしてましたね。完全にバレてるだろうに3人とも隠れて雪崩て出てくる姿は、本当にやんちゃな中学生といった感じでした。

麻木コーチがMDCへと現れ、知季たちはオリンピックを目指して練習に励みます。知季は度々、練習に励みすぎて彼女である未羽に構ってあげられないことを弟の弘也から責められてしまいます。舞台でも2回ほど電話をかけるシーンがありましたが、何を喋っていいのかわからないといった感じで目を泳がせる納谷くんの演技にはとてもリアリティがあってドキリとしました。

贔屓云々が問題になったところでは、積もり積もったものをぶちまける陵の、杉江くんの演技が強く印象的でした。

「いつかばりばりの、見る目のあるコーチが現れて、トモよりおれを選んでくれる。(中略)やっと現れたばりばりのコーチは、やっぱりおれよりトモを選ぶんだ」

「スポーツマンがさわやかだなんて、マジで思ってんじゃねえだろうな。あんなの嘘だよ、大嘘だよ。スポーツマンなんてみんな強欲で、ジコチューで、いつも一番でなきゃ気がすまないんだ。だからみんながライバルに見えるし、嫉妬もする。もやもやしたもんをいっぱい抱えてる」

心の中に抱えていたものをぶつける陵の言葉はとても荒々しくて力が入っていて、ストレートな感情表現に胸が苦しくなりました。

「たった3人なんだよね」と話す知季の今にも涙が零れそうな顔は、知季にとって陵・レイジがどれだけ大切な仲間であったかを語っていました。

あ、若干話が前後したかも。

出張から帰ってきた麻木コーチが飛沫をMDCに連れてきます。飛沫の飛び込みを見に来た要一に対して、飛沫は「あんた、だれだ」と言葉をかけます。

「富士谷要一。こんなこと言うと人間性にケチがつきそうだけど、飛込み界でおれを知らないやつがいたらモグリだよ」
「悪いな、おれ、モグリなんだ」
「ああ、津軽の海にもぐってたんだろ」

お互いに面と向かって話し合っていましたが、「おれ、モグリなんだ」と話す飛沫はガン飛ばしてるみたいに見えました。島のヤンキーかな……? 要一も飛沫も自信家というか、強気な態度をとるので、ここではなんだかバチバチと火花が散っていたように思います。

飛沫が初めて飛び込みを披露するところでは、毎度ギシッっとプラットフォームが鳴っていて怖かったです。いつか壊れそうで。他の方のところではそういったことはなかったのできっと財木くんの力が凄かったんだと思います。飛沫らしい勢いを感じるなぁと思いました。

「薬の変な味がする」と口元を拭う仕草は高校生らしからぬ色気というか、かっこよさがあって見入ってしまいました。

強化合宿参加選手を選ぶための選考会に向けて知季は三回半という新たな試練に立ち向かうこととなります。

皆が帰ったあと、知季は思い立って未羽に電話をかけました。

 

「もしもし、坂井くん?」

 

何かがおかしい。ナニカガオカシイ。

戸惑い、違和感が駆け巡っていく様子がかたまる体や目の動き、そして「何かがおかしい」というセリフだけで表現してしまう納谷くん。電話が切れ、違和感の正体を探る知季。そしてひとつの答えにたどり着きます。

 

「いつもは、"トモくん"って、呼ぶのに……」

 

静まり返る舞台上で零された言葉は、気づいてしまった違和感の正体に疑問や動揺を抱え、それでいて妙に冷静で、個人的にはなんともいえないザワザワとした気持ちが胸をよぎりました。

三回半のコツをようやく掴んだ知季。あいにくの雨と風で練習は早めに切り上げられ、家へ帰ると、お客さんが来ている模様。いつもよりも早い兄の帰宅に驚く弘也に「お客さん? もしかして、彼女?!」と声をかけます。弘也の顔はくもり、逆に知季の顔は明るく……。もうやだ。素直にそう思って見てました。弟に彼女が出来たことを喜びからかう知季。どこにでもありふれている行為なのに、弘也の顔が晴れ渡ることはなく強ばったまま。ドアに手をかける知季に「やめろ!」と大声で叫んでしまいます。そして、知季は弘也の彼女が誰であるか気づくんですよね。

 

「未羽か?」

 

どこか納得したような、そんな「か」の言い方だったんですよね。原作上の表現は「か?」ですが、納谷くんの発していた「か」は「か?」でも「か!」でもない。そっか、そうなんだ……って感じの「か」だったように思います。

舞台だと、知季たちが練習している裏で弘也が未羽に猛アプローチをかけてるし、ある頃から弘也の態度が分かりやすく変わるので、個人的には何故ここまでバレなかったのか……笑 と思ってしまいました。

また、怒りの表現がすごくて、込み上げてくるものを抑えつつ、徐々に沸点へと近づき、爆発してしまいます。泣きながら走り去る未羽とそれを追う弘也。取り残された知季は溜め込んだ想いをぶちまけます。じたばたともどかしい気持ちを鞄や地面に向かってぶつける姿は見ていてとても辛かったです。

MDCの練習も休んでしまった知季の元へ、麻木コーチが喝を入れにくきます。原作では、ここで麻木コーチの過去が語られますが、舞台は時間の都合上、すっと終わりましたね。飛び込みの世界へ戻ってきた知季は麻木コーチにこう言います。

「もしも飛込みと出会わなかったら、ぼくだってみんなと同じように遊んだり、勉強したり、旅行に行ったり、恋をしたり……きっとなんでもできたんだ。でも、ぼくはそれを選ばなかった」

「選ばなかったもののことはあきらめる。いや、あきらめるんじゃなくて、超越する」

飛び込みをしているただの中学生だった坂井知季が、人としてひとつ成長し、スポーツマンとしての、またダイバーとしての真が固まったように感じたシーンでした。人は簡単に物事を諦められるのに、その選択肢をとらない。更には超越するとまで言ってのける知季はそれまでの彼よりも真っ直ぐに麻木コーチに向かっていたように思います。

 

そして、強化合宿参加選手を選ぶための選考会が始まります。要一が飛沫に敵ダイバーを紹介していましたね。試合慣れしていない飛沫の緊張を少しでもほぐすため、またライバルを一人潰すため(笑)ですね。地味な松野、セコい辻、炎のジロー、ピンキー山田。4人のライバルダイバーが登場しました。

松野は飛び終わってから、飛沫や要一の傍を通る時に「僕なんて地味だし……拍手もないし……拍手もないし……は↑くしゅもないし……」とブツブツ言っていたのが可愛らしかったです。思っていたよりも瀬戸くんがしっかり地味になっていて驚きました。

辻はシュッとしていましたね(語彙力)。飛沫への挨拶も簡単に済ませてすぐに通っていってしまったように感じます。VR動画などで見ていた西野くんはぽやぽやとした可愛らしい印象だったので、辻になるとかっこよく洗練されていたように思いました。

ジローは飛び終わったあとの胸元が真っ赤でしたね。結構思いきり打ちつけたなぁって感じの赤でとても驚きました。痛々しいくらい真っ赤でしたが、炎のジローらしい勢いを感じました。

舞台の要一はことごとくピンキーを無視して、ピンキーから文句を言われてましたね。ライバルとして認めているからこそツンとした態度をとってしまうのでしょうね。微笑ましい気持ちで見てました。ピンキーはこれでもかってくらい癖が強くてうるさくて可愛らしかったですね(可愛いの基準)。

要一のライバル紹介は、初めてDIVE!!に触れる観客にもとても分かりやすいものだったと思います。それぞれのライバル紹介の時に、ライバルダイバーたちが飛んでいたのもありますが、本当に分かりやすかったです。

初めての試合で、飛沫はそれまで1回もしたことがなかったセービングをしました。それまでの練習では勢いよく入水していた彼が初めてノー・スプラッシュで演技を終えます。点数は高かったものの、麻木コーチはこの飛び込みに納得がいかず、飛沫を呼び出します。

「この試合であなたが一度でも自分の飛込みをすれば……人前で自分をだしきる快感を覚えたら、あなたはきっとそれを永遠に忘れないわ。私との約束のためじゃなく、その一瞬の快感のためにこれからも飛べる」

この言葉には飛沫の背中を押す、というよりは叩くくらいの勢いと力強さが感じられました。

自由選択飛びで飛沫は自分の飛込みを披露します。盛大な入水に、点数は下がり、ライバルたちも「美しくない」といった言葉をこぼします。ジローはとても喜んでいましたね。

最終演技で飛沫がプラットフォームに立った時には、その会場にいた多くの人々が飛沫に注目をします。皆、飛沫の飛込みに魅せられていました。最後まで自分の飛込みを行った飛沫には大きな歓声が上がります。

「ジジイのやつ、この快感を知っていやがったな……」

零された言葉には、彼の飛び込みに対する気持ちが少しだけ変わったような、嬉しさが含まれていたように感じました。プラットフォームでの驚いたような顔も、試合後のどこか清々しい想いをこぼす顔も素敵でした。

順位等について、富士谷コーチがナレーションのごとく話す姿は急に駆け足になったなあと思いながら見てました。

 

選考会が終わり、合宿に参加するメンバーが発表されます。一人は富士谷要一。そしてもう一人は坂井知季。飛沫は腰の故障が原因で辞退することとなり、選ばれなかったレイジは富士谷コーチに、チームでやる競技はいいなあって思うことがあると洩らします。個人の能力がものをいう飛び込みは、誰か1人しか頂点に立てない。皆で協力してチームを高め合うバスケやサッカーとは全く違う世界で、だからこそそんな世界に思いを馳せてしまう。飛躍した選手たちに囲まれた中で闘うレイジの気持ちはどんなものか、考えれば考えるほど切なくなってしまいます。レイジは陵のように強く想いをぶちまけるタイプじゃないので、その分溜め込んでることも多いんじゃないかと思います。そんなレイジが洩らした本音がとても切なく、そしてそんな中でもまだ頂点を目指して進もうとする彼はとても強い人間なんだなと思いました。

 

 

長くなってしまったので一度ここで切ります。

次の記事に続きます。

それでは、それでは。

ももちゃんこでした。

おやすみなさい。

 

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